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アパレル工場向け、サービスのはじめ方 第1回「できない理由から考える」

2016年12月28日 | カテゴリ:アパレル

早速第0回のまま時が過ぎ去ろうとしてしまいそうなので、サービスのはじめ方まずは第1回。

これから何回かにわけて書いてみます。そして「ブランドのはじめ方」から「サービスのはじめ方」に変えました。早速の改変・・・

 

「課題」をみつけてから外部の人間とのセッション

まずもってアパレル工場がtoCやtoBの新規サービス(ブランド含む)をやってみようと思ってもまったくうまくいきません。

それどころが、何をしたらいいのか?といった考えやアイデアすら思い浮かばないものです。それで外部の人間(コンサルやプランナー・デザイナーなどなど)にアイデアや解決策を求める、というのが通例ですが僕はそういった流れは一過性の対処療法でしかないし、ちょっと危険だなと考えています。ことアパレル工場に対しては特にそう思います。

 

通常外部のコンサルや、プランナー、デザイナーといったクライアントビジネスをしている「課題解決者」は、1つの課題に対しての解決能力はとても高いですが、それが複数個ある場合や、永続的な解決を必要とする場合においては不得意であることが非常に多いです。仮にそういったことまで得意なプレーヤーがいたとしても、なかなか出会えないですし、優秀なプレーヤーの多くは発展性の大きな市場にいるので、アパレル工場の課題解決者にはなかなかなりません。アパレル工場自体が斜陽産業だからです。

 

 

 

もう一つ大きな理由としては「アパレル工場が新規ビジネスを考える」=「現在のビジネスがうまくいっていないから」であることがほとんどだからです。

現在のビジネスがうまくいっていないから新規をやる。というのは一見理にかなったことのように見えますが、これがアパレル工場が主役になった時はそうではありません。

なぜならアパレル工場は「一点集中型のビジネス」であり「労働集約的ビジネス」だからです。つまり”一つのことに対して精通した職人集団”ということです。

これを少しネガティブに言い換えると”できることが限られていて、かつ人に依存している”ということになります。

ここはとても大きなポイントで、アパレル工場のビジネスがうまくいかなくなったというのは他のビジネスへピボットしにくい性質があるといえます。

 

 

 

外部の人間に課題解決を手伝ってもらおうとしたとき、「課題の掘り起こし〜課題設定・どこをゴールとするのか」といったことがとても重要になってきますが、

・そこまで入り込んで一緒に考えてくれる人間を探す(つまりはかなりできるプレーヤー)

or

・まずは自分たちでそこまでは考える

の2択であると思います。ここまでしないまま、安易にブランドやサービスをはじめてみようとか、とりあえずデザイナーを入れてみようとかという動きは決して上手くいかないと思います。

 

できない理由から考える

実際の「課題」の掘り起こし〜課題設定についてですが、これは”できない理由から考える”というのが良いと思います。

アパレル工場は”一つのことに対して精通した職人集団”であるがゆえに、OEM業に関しては効率化と生産性、そしてクオリティ(技術力)を高めてきました。つまりある決められた範囲の中での最高のパフォーマンスを発揮することに長けています。

しかし新たなサービスを生み出そうとした場合、制約はないので、どこに向かってエネルギーを集中させるのかまずは決めなければなりません。

その際役に立つのが”できない理由から考える”ことです。

例えば父の工場、大島メリヤスでは

 

  • ニットの成型編み、いわゆる”へらし”ができない(得意ではありません)▶︎裏を返せば”縫製が得意”ニットカット。
  • 工場の規模的にも大量生産ができない▶︎手が込んだ製品(加工技術)が得意。
  • 社内でデザインはできない▶︎それ以外の作り方はつくれる。
  • 編みたてだけでは完結できない▶︎人の手がかかわる工程がたくさんある。
  • 素材はつくれない▶︎素材の使い方は熟知している。

などなどといったことを整理していきました。こうして見えてきたことから、改めて我々の立ち位置はどこなのか?、大量生産ではなく少量生産でも付加価値をつけたサービスだったら戦えるんじゃないか、つながり方からつくれないか、セミオーダーとかできるんじゃないか、などふくらんでいって、チューズニットのアイデアへとつながっていきました。

 

 

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できないことから”できない理由”を整理することで、できないことをきちんと認識でき、さらにその裏側にある「得意なこと」「できること」の再発見につながります。

日本でアパレル工場を営んできて、今も生き残っている工場さんたちはきっと、得意なこと、ちょっと考え方を変えたらできること というのがたくさんあるはずで、それぞれの工場毎に規模も課題も違います。

 

できることはこれだ!というのがとても強く業界1位だ!というくらいしっかりとしている場合はそこをさらに掘り下げ、工場としてのブランドを作っていくこともできるでしょう。

でもなかなかそんな工場ばかりではありません。そういったとき、何ができないのか?をきちんと認識することで、時流に流されずフラットに自分たちのスペックを見つめることができると思います。

 

サービスをはじめるというのは発信者になるということです。

 

製造の現場から、発信者になれることは何なのか?

考え方の一つとして参考になれば幸いです。

 

ブログってエネルギーいるわ。。。